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カウントダウンが0になった。


一斉にみんなが走り出す。


[大声]ハマー浜口:おらおらおらおらあああああああ!!


門を出た集団は一塊となって、南側を直進していく。

門の外では味方の大砲集団がここぞとばかりに大砲の弾を味方左後に打ち込んでいた。

盛大な、花火みたいな轟音の中で、僕らは一直線に駆け抜けていった。


(これが、合戦なのか…)


前に本陣に特攻したときとのあまりの様子の違いに僕は震えた。

あの時はひたすら前の人の背中しか見えなかったが、
今は徒党先頭の柳家さんをはじめ徒党のみんなの背中が見え、
そして随伴するほかの徒党と大量の支援してくれる人たちに囲まれているのがよくわかった。

まるで魚の群れになったかのように合戦場を駆け抜ける。


だが、しかし、


不意に目の前が暗転した。

目の前には敵のプレイヤーが一人。

[合戦]柳家留美:p

どうやら敵の防衛プレイヤーにつかまったようだった。

[徒党]柳家留美:だいぶ手前で捕まったから、一回退くね。

[徒党]レゲエパンチ:さすがに防衛は厚いねえ。


そんな中、


[合戦]川並松五郎:味方左後つき


川並さんの徒党が、無事戦闘に入ったようだ。


[徒党]ハマー浜口:さすがだな。

[徒党]柳家留美:門に再集合で

[徒党]観音寺らむね:了解です


こうして、僕らは再び門の中に戻った。
時間は23:40。

最初は劣勢だった徳川方だったけど、時間が遅くなったせいか掲示板を見たら武田方のプレイヤーがだいぶ減っていた。

川並さんの徒党が陣についたことで、味方も勢いを増したようだ。


[合戦]榊原政子:本陣から味方中先奪還ゲリラいきます。参加をお願いします↑


合戦会話も活気づいてきたようだ。


[合戦]柳家留美:うちの徒党もゲリラに便乗します。


今までバラバラだった味方の動きが、急にまとまり始めていく。

次に狙った陣も味方の陣地だった。
こちらは防衛には止められなかったけど、ほかの徒党に武将についたので僕らは再び撤退。

その後何回かチャレンジしたけど、防衛に阻まれたりほかの徒党にいかれたりで、0:30になっても僕らは武将と戦えずにいた。


[徒党]ハマー浜口:なんとかならねえか!?


[徒党]柳家留美:ごめん
[徒党]柳家留美:今日は調子がよくない
[徒党]柳家留美:次、最後でいいかな?

[徒党]ハマー浜口:いや、留美が悪いわけじゃねーけどよ

[徒党]ハマー浜口:やっぱり、なぁ…

なぜかハマーさんの歯切れが悪かった。

[徒党]レゲエパンチ:時間も遅いし、次でラストにしよう

[徒党]ハマー浜口:それなら右先奪還に行こうぜ。あそこなら防衛いないだろ。

[徒党]レゲエパンチ:それはだめ

レゲエさんが遮った。

[徒党]レゲエパンチ:先陣ならまだゲリラで戻すだけの余裕がある。うちらは敵陣を攻めよう。

徒党に一瞬沈黙が流れた。
僕は何となく居づらくなった。

[徒党]ハマー浜口:わかったよ。それでいこう。

ハマーさんが口を開いた。僕らは敵陣を狙うことになった。


柳家さんが合戦私設で人を集め始める。
集合場所は門の中でなく、自陣営の陣の裏になった。それだけ戦線を押し返してきたのだ。

本日ラストチャンスということで、僕に緊張感が襲ってきた。
その一方で、違和感を感じていた。ハマーさんの様子がおかしかったからだ。


…僕は何かハマーさんの気に障ることをしたのだろうか?


[大声]柳家留美:ではいきます。カウント、5、4、3、2、1、0!

なんだかすっきりしないまま、柳家さんに追尾した僕は走り始めた。


目指すは北側の敵陣。
最初のころと比べると敵の姿はあまり見なくなっていた。

途中で止められることなく進む。
目の前に、柵でおおわれた陣が見えてきた。

大量の襲われログがチャット欄を埋め尽くしていく、
不意に、柳家さんが突出していった。その先にいるのは、敵武将!


画面が暗転した。


画面に姿を現したのは、武将の伊丹康直。

ついに、武将戦をすることになったのだ!

気持ちが昂ぶり、コントローラーを持つ手に力がこもる。
初手は湯地鉄城。戦闘画面の推移をじっと見つめていると、突然らむねさんが口を開いた。


[徒党]観音寺らむね:ハマーちゃんがいないよ!


僕ははっとした。

相手の武将は7人で、僕らは確かに6人だった。

[徒党]ハマー浜口:すまねえ。割れてNにからまれた…

[徒党]レゲエパンチ:入ってこれそう?

[徒党]ハマー浜口:だめだ、敵pにつかまった。

柳家さんが反応した。


[合戦]柳家留美:敵左中主つき。盾鍛冶が割れたので救援をお願いします


この事態で、僕の頭の中は真っ白になった。
盾は僕一人。なんとかしなきゃ!


湯地鉄城!


湯地鉄城!


湯地鉄城!


なんとか敵のほとんどが釣れた。
これで持ちこたえられるか…?

[徒党]レゲエパンチ:良さん釣りすぎだ。滅却張って

え!?と思った時には遅かった。詠唱が来ていたので全体看破していた。

[徒党]平手良太郎:すみません、全体看破しました

[徒党]レゲエパンチ:こっちもkp。かぶったね。


冷や汗がでてきた。何かとんでもないミスをしたのではないか…?


敵の攻撃が自分に集中してきた。

滅却の結界はあっさり割れ、生命がみるみるうちに減っていく。

[徒党]観音寺らむね:単体回復

らむねさんは必死に回復してくれた。
でも、生命の減りに回復が追いつかない。

そうこうしている間に、標的固定が解けていた。

攻撃が漏れたせいで、徒党の暗殺さんが死んだ。

まずい!

と思ったのもつかの間、1の攻撃が僕に直撃し、僕も倒れた。


その後は、目を覆うような惨状だった。

敵の攻撃で、徒党員が次々倒れていく。
榊原さんは救援の盾を送ってくれていたが、到着するころには立て直しが不可能なくらい痛めつけられていた。


[合戦]柳家留美:敵左中主折れ。すみません。


淡々とした報告が、合戦私設に流れていた。





[徒党]平手良太郎:すみませんでした

謝らずにはいられなかった。僕が冷静に行動していれば、伊丹に勝てたかもしれない。

[徒党]ハマー浜口:いや、リョウはわるくねーよ
[徒党]ハマー浜口:俺が割れたのが悪い

非常に気まずかった。このまま消えてしまいたい気持ちだった。

[徒党]観音寺らむね:まあまあ。リョウちゃんも今回が初めての武将戦だったし、またがんばればいいじゃん

そうだね、うん、といった会話がつづく。

僕は文字を追っていただけで、中身を理解することができなかった。

[徒党]柳家留美:ごめん、この陣取りももう終わるし今日は解散で。
[徒党]レゲエパンチ:そうだね。おつかれさま~

初めての武将徒党は、とても苦くて無残な経験となった。





[対話]レゲエパンチ:お疲れ様。ちょっといいかな?

合戦場から退場する間際に、レゲエさんから対話が来た。

[対話]平手良太郎:はい
[対話]平手良太郎:あの、今日はすみませんでした。
[対話]平手良太郎:僕がもっとうまければ、もっと強ければこんなことには

申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
武将徒党にする、と言われた段階で、徒党を脱退すればよかったのだ。
その場の雰囲気に流された僕の意志の弱さ、世間知らずさに、嫌気がさしていた。

[対話]レゲエパンチ:気にすることないっすよ。
[対話]レゲエパンチ:徒党が割れるなんてよくあることだし、
[対話]レゲエパンチ:合戦のデビューとしては、こんなもんだって。

[対話]平手良太郎:はあ…

困惑する僕にきにせず、レゲエさんは対話を続けた。



[対話]レゲエパンチ:実はね、ハマさんが良さんのことを気にしててね。



僕のことを…?



[対話]レゲエパンチ:ハマさん、良さんが初めての武将徒党だからってことで、大分張り切っててね。
[対話]レゲエパンチ:どうしても武将やらせて、勝たせてやりたいって思ってたんだってさ。
[対話]レゲエパンチ:だからさ、最後自分が割れちゃって、徒党が折れてさ、
[対話]レゲエパンチ:それがショックで、悔しくてたまらないって。
[対話]レゲエパンチ:良さんに合わす顔がないって。だから俺の代わりに謝っといてくれないかって、言われたんだ。


その時僕はやっと理解した。


武将に取りつけなかった時のハマーさんの苛立ちの理由。
僕を思ってのことだったのか…

[対話]レゲエパンチ:あいつとの付き合いは前のサーバーのころからなんだけど、
[対話]レゲエパンチ:ああいう乱暴な言い方をする割に、昔から繊細で不器用なやつなんだよ。
[対話]レゲエパンチ:自分で謝ればいいのにね。

僕はなんといえばいいのかわからなくなった。
謝らなければいけないのは僕のほうなのに。
僕は、何を伝えたらいいのだろう…

…あ!

[対話]レゲエパンチ:じゃあ、伝えるだけ伝えたから。
[対話]レゲエパンチ:もしよかったら、これに懲りずまた来てくれたまえ。じゃあ

[対話]平出良太郎:あの

[対話]レゲエパンチ:ん?

僕は意を決していった。



[対話]平出良太郎:今日はありがとうございました。明日も合戦に来ます。絶対来ます!だから
[対話]平出良太郎:明日からもまたよろしくお願いします!そういっていたとハマーさんに伝えていただけませんか?



このとき、レゲエさんはどういう顔をしていたのだろうか。


[対話]レゲエパンチ:わかった。伝えておくわ。


対話を終えて、僕はそのままログアウトした。





その日はなかなか寝付けなかった。

確かにひどい初陣だった。だけどなんだろう、この湧き上がるような昂揚感は。

明日、早く家に帰ろう。そして、ログインして合戦にいこう。
合戦にいったらハマーさんに挨拶して、それで…

そんなことを考えているうちに、いつしか眠りに落ちていた。




・これはコーエーが開発・運営をしているオンラインゲーム「信長の野望Online」の二次創作です。
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・作中に登場する人物・団体は架空のものであり、実在の人物・団体とは関係がありません。
・作中の設定(特に合戦仕様)については、実際のものと異なる場合があります。
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