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現在、越後の上田領で伊達家vs浅井家の合戦が発生しています。

週の序盤、中盤と、浅井家が大幅にリードしている状態ですが、
終盤にきて、両勢力が実施した「戦果調整」が(一部で?)話題になっています。

今回は、「戦果調整」について書こうと思います。

・・・とはいっても、信onの国勢から大分遠ざかっていて私もよくわかってないので、
国勢の仕様の話はしません。というかできません!

じゃあ何語るんだボケ!と言われそうですが、
仕様以外の、実際の運用面について触れていきたいと思います。


なぜ戦果調整をするのか

まず、今回の「戦果調整」に至った顛末を整理します。

具体的に言うと、日曜日の段階(だったと思う)で
浅井家の「優勢」が確定する総合戦果ラインまで総合戦果をゲットできたため、
浅井家側は「戦果調整」のため合戦の制限を実施。

それに気づいた伊達家側が、浅井家の狙いを妨害すべくこちらも合戦の制限を実施、

という流れのようです。

・・・これだけ読んでも何のことやら、ですよね。
ということで、もう少し詳しく解説をします。

合戦の発生は、不確定な要素もありますが(勢力が意図しない、献策の暴発による進軍等)、
基本的には何らかしらの目的をもって発生させるのが普通です。

たとえば、

・〇〇国は気に食わないのでぶっ潰す!
・天下統一するために合戦を起こす!
・××国が侵攻されている。援軍として合戦に参加する!もしくは援軍を分断する侵攻をする!

といった、合戦の目的みたいなものです。

また、合戦を発生させる以上、「こういう結果にしたい」という願望があるはずです。
たとえば、

・勝って領土を手に入れたい!もしくは領土を守りたい!
・強い相手と戦って充実した合戦を楽しみたい!
といった、相手と戦うことを目的とするケースと、

・合戦を発生させて敵の援軍を分断できればOK!
といった、合戦を発生させる(もしくは発生させない)時点で目的達成とするケースがあります。

合戦を発生させる際、合戦に参加する人(少なくとも各国勢力の運営)は、
こういった「合戦の目的」と「合戦のゴール(達成目標)」を、その週の合戦の前に明確にしておく必要があります。

こうしておかないと、例えその週の合戦で優勢や大勝を収めたとしても、
その結果が合戦の目的とゴールに一致していなければ、
中長期的に(1か月~3か月かもしれないし、場合によっては半年~1年以上)国勢で不利になる可能性があります。

合戦はただ勝てばいいものではなく、自分たちにとって望ましい結末にすることが大切

、ということを頭に入れておいてもらえれば、と思います。


さて、話を今週の上田攻防戦に戻します。

今週の浅井家の合戦目標は「優勢勝ち」でした。
これは、今週の合戦に浅井家側で毎回参戦していていればどなたでもわかったと思います。
浅井家の指揮者の方から直々に、合戦中に告知があったからです。

おそらくは、今週の合戦前から、

早々に優勢勝ちを確定させ、その後は大勝にならない程度に戦う

、というプランはあったと思います。

前回、上杉領の揚北戦で大人数を動員し圧倒的な強さを見せた伊達家ですから、
もちろんこのプラン通りにいかないことも想定できたはずです。

おそらく、それも想定のうちに入っているでしょう。
自勢力が劣勢もしくは大敗ラインまで追い込まれた時の想定も、頭の片隅にあったと思います。

今回はたまたま、優勢勝ちor大勝が見えてきた展開になっているので、このプランの採用を途中で決めたと推測します。

そして、ある程度今週の合戦の結果が見えてきたので、
優勢勝ちという目標を達成するため戦果調整を実施したのです。

これが、なぜ浅井家は戦果調整をするのか、という問いかけに対する答えです。
※優勢勝ちになると国勢上どう変化するのかは、各自自分で調べてください(涙)
 仮にそうする理由が説明できたとしても、それは国勢上の機密かもしれないので、いずれにしろ説明する気にはなれませんが。
(外れたらハズカシーという気持ちももちろんありますw)


これが、どういう戦略をもって設定された目標なのかは、
これを考え実行した浅井家の運営かそこに近い人しか、本当のところはわかりません。
この判断がどういう意味を持つのかは、おそらく今後1か月後か、もしくはもっと先になって初めてわかるかもしれません。

中長期的な視野に立ち、将来自分たちはどうなっていたいか。
そしてそのために、今週・来週以降はどういう行動をとるべきか。

ある程度駆け引きを仕掛けてくる勢力の運営は、おそらくここまで考えています。

こうした「戦略」についてはあとでより詳しく解説しますが、この場は、

中長期的な計画、いわゆる戦略無くして合戦は無し

、ということを明記しておきます。


「戦果調整」を行う上でのリスク

上の方で、合戦は中長期的な計画=戦略を持って行うものだと書きました。

さて、今回浅井家がとった、そして伊達家がとらざるを得なかった「戦果調整」ですが、
これを実施するにはある程度のリスクを想定しておく必要があります。
そしてそれは、戦略にも影響を与えかねないものも含まれています。


◇戦果調整のリスクその1:実施するにあたり手間がかかる。
かつて紺碧鯖で私は運営をしていました。

その際、事情があって戦果調整を行わなければならなかったのですが、

これがまた一大事になります。

今回の上田攻防戦を例に、いったいどういうことをやらなければならないのか説明しましょう。

・自勢力の人に説明し戦果調整を行うことの同意をもらう。
 →戦果調整を行うということは、「合戦にきて戦果を稼いではいけない」or「合戦に来て戦果を稼がなければいけない」の
  どちらかとなります。いずれにせよ、自勢力の人の行動を大幅に制限するため、まずは納得してもらわなければなりません。

・援軍がある場合、援軍の勢力の同意をもらう。
 →自勢力の説得だけでも大変ですが、それ以上に援軍さんへの説明の方がより大変です。
  なぜなら、自勢力ではある程度顔が売れているためまだ説得はしやすいですが、
  他勢力だとつながりが薄いためそうはいかないケースがあります。
  また、他勢力の運営さんに呼びかけを協力してもらうため、その方たちに負担をかける場合もあり、
  それが発端となって他勢力で内部分裂に及ぶこともあります。

・陣取戦の時間中ほぼずっと合戦場に入り、参加制限の呼びかけや対話をする必要がある。
 →呼びかけだけでは不十分です。
  たまたま呼びかけを見てなかった人もいるでしょうし、呼びかけを無視して行動する人がいる可能性もあります。
  したがって勢力運営の人は、放棄された合戦場であっても合戦場に入って状況を見守らなければなりません。
  (実際は一人ではできることではないので、だれかと分担したり告知キャラを置くのみにしたりしますが。) 
  場合によっては説得したり、口論に近い形になるかもしれません。それに耐えなければなりません。

このように、戦果調整を行うには大きな労力を使います。
また、対応を間違えればトラブルが発生し、合戦から人がいなくなり戦力ダウンも考えられます。

戦果調整や合戦制限、と言うのは簡単ですが、実施する方はそれなりにしんどいのです。


◇戦果調整のリスクその2:自勢力及び援軍勢力のモチベーションが大幅に低下する

戦果調整における最大のリスクはこの、モチベーションの低下です。

合戦に参戦する理由は様々だと思います。
私が知っているだけでも、

・合戦で勝利を収めたい
・合戦で自分の力をアピールしたい
・合戦で他の人の役に立ちたい
・合戦で手柄を稼いでキャラ育成を進めたい
・合戦というコンテンツ自体を楽しみたい

これだけあります。
そして戦果調整というのは、こうした希望を持った人たちの活躍の場を奪いかねません。
そうなると、頭で必要とわかっていても、やる気はなくなってしまうものなのです。

やる気の低下は参戦のモチベーションの低下、ひいては合戦主力への不信感を増やさせます。

本当にその戦果調整は、そういうリスクと引き換えに行うだけの価値はあるのか。

そういう熟慮をしなければなりません。


戦略に沿った合戦目標を!

さて、そろそろ今回のまとめに入りたいと思います。

もう一度繰り返しますが、

戦略無くして合戦は無し

です。

合戦を起こすのであれば、その前にその勢力における戦略をはっきりさせておく必要があります。

では、勢力における「戦略」とはなんでしょうか。


これは非常に難しい問題です。
詳しく解説しようとすると記事2本分以上のボリュームはあります。

今回そこまで余裕はないので、ざっくりと簡単に説明します。

信onにおける、勢力の戦略には、以下の4つがあると考えます。

1.外交戦略:どこと合戦をするかorしないか、どこと同盟するかorしないか、大名物をどう扱うか
2.合戦戦略:どの領土に侵攻するかorしないか
3.成長戦略:自勢力の戦力UP(初心者育成、合戦常連の交流の深度化、新規加入者と常連の交流、徒党育成等)
4.スタイル:勢力のもつ特徴・方針。ポリシー。

ここで最も重要なのは、「4.スタイル」です。

自分たちがどういう特徴を持っているか。長所は何で短所は何か。これを把握せずに他の戦略は立てられません。

そうした特徴は、その勢力固有のスタイルとなります。

スタイルというのは、自分たちがとる行動の集合体のようなもので、例えるなら魚群みたいなものです。
魚群が集団を形成して動いていれば、天敵から捕食されませんが、
魚群から一度離れてしまったり魚群が崩れると天敵に食べられてしまうのと同じです。

スタイルに沿った行動をすれば、勢力はおのずと発展しますし生き残る道も見えてきます。
逆にスタイルに合わない行動をとれば、人は離れ戦力も落ちていきます。

したがって、勢力の運営を進めるうえで一番最初に着手しなければいけないのは、「スタイルの確立」です。

スタイルを確立するには、

・とにかくメンバーと話して意思疎通を図り相手を知る。
 →会議だけでなく交流私設やイベント等も活用する。会議の発言=勢力の総意ではない。
・戦いの中で、得意な行動・苦手な行動を一つ一つ明確に洗い出していく。
 →一つの戦術にこだわらない。いろいろ試してみるのが大事。
・その勢力の中核となりそうなメンバーを見定める。
 →武将徒党や旗振りだけではない。門内の与生気・修理や物資の納入、兵種手柄等、影のヒーロー・ヒロインにも着目する。
 →際立った特徴はなくても、「普通」という感覚が分かる、そして言える人は大切な存在になる。

といったことをすればいいと個人的には思っています。
平たく言えば、どういう人たちが自勢力にはいるのかを把握するのが先決です。

こういうことを整理していくと、おのずと1~3の戦略も定まってきます。


さて、戦果調整の話に戻ります。

今回浅井家も伊達家も「戦果調整」という方法をとりました。

ここで問いかけたいのは、
それは果たして、各勢力の「スタイル」に合致していたでしょうか。

合致していれば問題ないかと思います。
一部にモチベーションの低下があったとしても、スタイルが浸透していれば最小限のダメージで済むはずです。

しかし、もし合致していなければ。
最悪、勢力は空中分解になることも考えられます。

やり方によっては「戦果調整」といった合戦の規制は、大きなリスクを背負うことになります。

自分たちの合戦戦略と照らし合わせて、合戦の戦術や戦法を決めることが大切です。


合戦はやはりどうしても勝ちたいものですから、ついつい目先の1勝を追ってしまいがちです。
しかしやり方を間違えれば、将来の10勝をとりこぼすリスクはある、というのは考えておくべきでしょう。

繰り返しますが、合戦は目先で考えるのではなく、3か月~半年、長くて1年以上を見据えて戦略を立てるものです。

そういう視点を持った運営がいる勢力は、やはり強いと思います。


今後も国勢の中で、「戦果調整」等の「合戦制限策」がとられることもあるでしょう。

その際、策を実行した運営の戦略と今後の動向について、より注目して見てみるとおもしろいかもしれません。
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まず最初に断わっておこう。

これから書く話は、事実だ。

いや、正確に言うと、事実ではないかもしれない。

私がとある知人から、ある話を聞いた、というのは事実だ。

しかし、その知人が語った話が真実かどうかはわからないし、それを証明するすべもない。

なのでこの話は、事実かもしれないしそうでないかもしれない。

そういう前提があることをご理解いただいたうえで、この話をきいて頂きたい。




信onが無印のころだから、かれこれ10年前になるだろうか。

その知人は、24時間合戦にいるような、いわゆる「合戦廃」だった。

実際、実装当時の合戦は今のように陣が区切られていなく、
24時間ずっと陣取戦が行われていたそうだ。

その知人はさすがに24時間連続で参戦、というのはしていなかったが、

日中仕事をして、帰宅してから朝方まで合戦、早朝で全ての陣を落としてから仮眠をとって出社。

そんな無茶苦茶な生活を合戦のたびにおくっていたらしい。なんともすさまじい話だと思う。

そんなある日。

突然、体がいうことをきかなくなった。

これはさすがにまずいと思い、病院に駆け付けたところ、

「あんた、このままだと死にますよ」

と医者に言われそのまま入院したそうだ。

どうも内蔵系(心臓だったか肝臓だったか)に深刻なダメージを負っていたらしく、
長期間入院していたらしい。

結局退院して信onに復帰したのは(これだけやばい状態から信onに復帰するというのもすさまじいが。)、
飛龍の章に入ってから。
入院してから実に1年が経過していたという。

復帰して周りの人から掛けられた第一声が、「死んだと思っていた」だったらしい。
知人は自虐気味に語ってくれたが、
笑っていいのかどうなのか、なんともアンニュイな気持ちにさせられるひとことである。

まぁ結局、知人の話は笑い話で済ませられたのだけれども、
私の本音を言うと、とても笑い話にする気にはなれなかった。

なぜなら、この手の話をもう3人くらいはきいているからだ。

ある人は、心臓発作に襲われた、またある人は入院していた・・・・・・。

まだ、ご本人と話せられればいい方だろう。

私の記憶の中には、突然ログインしなくなった知人が何人かいる。

恋人ができた、子供が生まれた、といっためでたい話題もあるが、
何の理由を知ることもなく、突然いなくなった人もいる。

あまり想像したくないが、突然亡くなったケースも、表面上には出てこないだけで潜在的には結構あるかもしれない。

そういう、あまり聞きたくない「武勇伝」をもっている人たちには共通する点がある。

皆、合戦の参戦率が非常に高く、その国の中核ともいえる合戦常連だったのだ。

言い方を変えると、合戦で心身ともに蝕まれてしまった人たち、ともいえるだろう。

何を大げさな、と思う方もいるかもしれないが、
私自身はこれは事実だと大真面目に考えている。

そう考える理由は極めて明快だ。
私自身、合戦が起因と推定される体調不良を経験したことがあるからだ。




私の場合いくつか思い当たる節はあるが、一番顕著だった例をあげようと思う。

あれは2年前の年末年始だったか。

当時、統合後の上杉家は滅亡寸前まで追い込まれていた。

そんな非常事態、年末年始の忙しい中にもかかわらず、毎日毎晩、長い時は朝の5時過ぎまで、全体会議を行っていた。

このころは私もそこそこの参戦率を維持していたし、まだ国勢にも関与していたころだったので、
会議でも積極的に立ち回っていた。

日中は合戦交流私設でいろんな方の意見をうかがい、
夜は会議で発言や提言をし朝方まで議論を続け、
目が覚めれば多岐にわたる議題を整理するため議事録にまとめ議長に送付したり。

そういった会議関係で一日を費やす日々が続いた。

この年の年末年始は自分の中でも最悪の年だったと記憶している。

上杉家の将来がかかっている時期で、やりがい自体はあったが、休養らしい休養をとることはできなかった。

しかも間の悪いことに、年明けから仕事が加速度的に忙しくなった。

毎日夜遅くまで残業し、休日も返上して働いた。

そうしているうちに、心が悲鳴を上げ始めていた。
過去に何度か暴露しているが、私はうつ病の経歴がある。

このころはすっかり回復していたが、信onと仕事で忙しい時期が重なり、
非常に負荷がかかっていた。

結局負荷は春先までとれず、しばらく会社を休むことになった。

こうなってしまったのは自業自得だ。
趣味にしろ仕事にしろ、自分のキャパシティを大幅に超えてしまったのが原因で、自己管理できなかった私にすべての責任がある。
非常に苦い思い出だ。

こうした経験があるから、「信onしていたら入院していました」という話を、全く笑えないのだ。



信onはすでに転換点を迎えてだいぶ久しいと感じている。

何年か前に、ネットゲームの年齢層というチャート図を見たことがある。

我々の信onの平均年齢は、確か32,3くらいだったと思う。
それから数年たっているのだから、今統計を取ればもっと高めの数字が出るだろう。

「IT技術者35歳限界説」というのは耳にしたことがある方もいるだろう。

激務の続くプログラマやシステムエンジニアといった、IT関係の職業の人は、
35歳あたりが活動のピークだという。

スポーツ界でも、最近は選手生命も伸びているが、35歳くらいになると現役を続ける選手は減る。

おそらく、今の信onの平均年齢も、35歳程度ではないだろうか。
そうすると、ある程度プレイに限界が出てくる世代が増えていると考えることはできないだろうか。

若いころは時間を忘れて、朝方までプレイしても翌日平然と生活できた。
しかし今は、数時間やっただけでも疲れを感じてログアウトしてしまう。
そういう感覚を持ったことはないだろうか。

そう、私としては、信onで廃プレイできる年齢層は、昔と比べて相当数減っていると考えている。
合戦においては、廃プレイを前提とした戦術に限界が来ていると感じざるを得ないのだ。




全ての国がそうだとは言えない。

しかし、大方の国は、

「ごく少数、場合によっては一個人がトップダウンで指示をだし、合戦を回す」

というプレイスタイルをとっているように見える。

信onはゲームなのだから、上位下位といった階層社会があるのは本来おかしいのだけど、
ある程度指揮命令系統が確立されていて、トップダウンの指示で全体を動かすという方式の方が効率がいいし、
その結果ある程度の強さを維持できる強みはあると思う。

しかし、この方式には非常にリスクが高い。

それは、

・指示を出す人間に「負荷」がかかること。
・指示を出す人間がいなくなると集団行動が効率的に取れなくなり、その勢力は急速に弱体化する。

という点である。

そして、先ほどの「35歳限界説」のとおり、
信onプレイヤー自体が負荷に堪えられなくなってきている年齢に大部分が差し掛かっている。

以上の理由から、

「一部の人間がトップダウンで指示を出す方式は、全体の流れから見れば主流ではなくなる」

という予測を立てることができる。

私も合戦歴は長い方だと思う。

カリスマ的なトップがいる国は強いし、そのトップが去った国が衰退し滅んで行った例はいくつも見てきた。

そして、そういう「神」のようなカリスマトップは、存在できない流れとなっている

つまり、信onの合戦に「神」がいなくなる日は、遠くないのだ。
いや、ひょっとしたら、そういう「神」が合戦を統治する時代は、とうの昔に終わっているのかもしれない。




合戦場から「神」がいなくなった今、合戦人はどうやって合戦を回していけばいいのだろうか。

この答えを出すために、こんなたとえ話をしてみようと思う。

古来、人間は自然を崇め、そして神を崇めて生活を送ってきた。

特に日本では自然に宿る神々を崇拝し、自然災害という脅威から逃れようとしてきた。

崇拝の対象は自然の神々から仏へと移り変わり、
病気平癒や戦乱の鎮静化に祈りをささげてきた時代もあった。

しかし、そのような試みは、ほとんど自然に裏切られてきた。

やがて人間は、「科学」という武器を手に入れることになった。

「科学」は戦争をより悲惨なものにするという負の側面を抱えつつも、
医学や物理学等の発達により、人間の生活は向上し自然にも打ち克てるような力を持つように至った。

そして現在、「神」は人の心のよりどころとなってはいるが、
実際の我々の生活は、「科学」や「文明」といった、
たくさんの人間たちが努力を重ね創りあげたものをベースとして成り立っている。

一人一人の、ほんの小さな努力が一つになって、今日の繁栄を支えているのだと思う。




「神」が去りつつある信onも、同様のことが言えるのではないだろうか。

確かに「神」が合戦を転がした方が効率的に動くし、一番合理的に強くなれると思う。

しかし「神」がいないのであれば、それに代わる「仕組み」を作るしかないだろう。

その「仕組み」とは、「神」ではない「人間」の力を結集させることだ

「神」とあがめられるプレイヤーは、一人で何でもできるか、特定の分野にずば抜けた才能を持っている連中だ。

そういう資質を持った人は、なかなか現れない。

だけど、そこまで飛びぬけた才能がなくても、
何人かでグループを作り(もちろん「全員」でも構わないわけだ)、
作業や負荷を分担させて全体を運営していく。

それならば、ある程度の強さを生み出すことは十分可能だ。

今まで「神」からトップダウンで動いていた組織を、
仲間同士が対等の立場で意見を言い合い課題を解決していく水平展開型の組織に変えるのだ。

今の信onの合戦を見るに、こうした水平展開型の組織に移行するのが今後の主流になると思う。
逆に移行できない勢力は、衰退の一途をたどることになるだろう。




もちろん、いままでのスタイルを改めることには抵抗があると思う。

現実世界においても、大体の人は何らかしらの宗教を信仰している。
その宗教を捨ててまっさらな状態で生活しろ、なんて突然言われたらさすがに戸惑うだろう。

しかし、信onにおける流れというのを考えると、どうしても水平展開型の組織の方がメリットがあるのだ。

具体的には、
・グループで負荷を分散させるため、一人一人にかかる負担が軽くなりプレイヤーとしての寿命が長くなる。
・仮に誰かがログインできなくなっても、グループのメンバーが穴埋めするため大幅な戦力ダウンは起こらない。

ただでさえ「負荷」に弱くなっている信onプレイヤーにとって、
この2つのメリットは魅力的に感じるはずだ。




では、どうすれば有効に機能する「強いグループ」が作れるのだろうか。

まず、まだトップが健在な勢力は、
代役の人を見つけて自分が今やっていることを任してしまうことである。

要するに、権限委譲をして身を引く、ということだ。

こうすると、トップだった人は身の置き場がなくなるように見えるが、そうではない。

身を引いたトップの人には、よりレベルの高い合戦運営をしてもらいたいのだ。

例えば、旗振りがとてもうまい人がいたとする。

他に旗振りを増やして強力な「旗振りグループ」を形成したいのであれば、
才能や素質がありそうな人に旗振りを任せ、自分はその人のフォローに回るのだ。

たとえば、本人に直接やり方をアドバイスしたり、ゲリラが集まりやすいように大声で告知をしたり、
対話で武将徒党の党首に協力を求めたり、など。
旗振りの講習会、なんていうのもやってみてもいいだろう。

これまで自分が培ってきた能力をもとに、より裏方というか、管理者的な動きをするのである。

そうすることで、旗振りができる人は増えていくし、自分が裏方に徹することで勢力全体の力を強化することができる。
その強化の幅は、自分が旗振りをしていたころ以上のものになっているはずだ。

実は、自分の役割を他人に譲った後の方が、より一層忙しいし大変だし、
それ以上にやりがいがあって大きな成果を得られるのだ


もし、トップの人が今以上に自分の能力を高めたいなら、勇気をもって今いる自分の役割を他の人に譲ってみてほしい。
そっちの方が、より深く合戦を楽しめると思う。




逆に「トップ」がいない勢力の場合。

まず必要なのは意識改革だ。

「自分の実力は末端程度だ」

とおもうのではなく、

「自分の実力を信じて、中心に出てみよう」

と考え方を変えてみることだ。

とはいえ、考え方を変えるのは容易なことではない。

コツは、「ちょっとしたことでもいいからいつもとちがったことをやってみる」だ。

例えば、だれもゲリラを集めないなら自分で集めてみる。

ゲリラの呼びかけが私設であったら、自分も大声で参加を呼び掛けてみる。

伏専用の徒党を作ってみる。

周りの人に声をかけてみて、即席の対人徒党を作ってみる。

このように、ちょっとしたことでいいから、自分からアクションを起こしてみることだ。
特にそのアクションは、どんなかたちであれ「他人を巻き込む」ものがいい。

そうすることによって集団内に流れが生まれ、その結果「グループ」を作ることができると思う。

実は、上で書いたような例は、昔の信onプレイヤーでは日常的に行われていたことだ。

今以上に、「徒党」でなければできることが少なかった時代だ。
だから「グループ」を作る必要があった。
「グループ」で強くなる必要があった。

重要なのは「他人に声をかけること」だ。

勇気を出して行動した人には、声をかけて賞賛してあげてほしい。

迷っている人がいたら、声をかけて助けてあげてほしい。

ほんとうにちょっとしたことだ。

でも、それをやるかやらないかで、「グループとしての結びつき」=強さ というものが変わってくる。

他人にプラスのメッセージを伝えられるかどうかで、その国の強さが決まってくる。

そういう時代なのだと思っていただきたい。




信onも今年で11周年。

久しぶりに、「伊達家」という新勢力が実装された。

大幅な変化が起こっている時代なのだと思う。

だからこそ、合戦も、その実施主体となる勢力も、やり方を変えていかなければ生き残れない時代になっている。

私は、「信onから「神」はいなくなる」というアプローチで、この時代の変化に対応する方法を考えてみた。

これが正しいかどうかは正直分からない。

ただ、合戦に携わる一人一人のプレイヤーが、時代の変化を感じつつ、それに適応した動きに変化しなければならない。

そういう発想自体は、間違っていないと思う。

ただただ時代の奔流に流されたまま戦国ライフを送るのではなく、
立ち止まり周りをじっと見て、
自分の取るべき道、いや、取りたい道を見定めてほしい。

そうすることが、現状の合戦を活性化させ、生き残る方法だと、私は思う。

「神」が合戦を支配する時代は去った。
これからは、個々の「人間」が合戦を創る時代だ。


これからの合戦の生き抜くすべての人たちへのエールとして、この記事をささげたいと思います。

どうか皆様、ご武運を。
「桔梗塾」にはすでに何人かいた。

私設会話に入るのは初めてだった。
なにをすればよいのかよくわからなかったが、
らむねさんに促され、私設のメンバーに一通り挨拶することができた。

[桔梗]観音寺らむね:じゃーさっそくだけど、合戦について説明しようかしら。
[桔梗]観音寺らむね:だれか、一緒についてくるー?

[桔梗]服部平次郎:俺も行きますよ

[桔梗]観音寺らむね:じゃー服部ちゃんおねがいね。他に誰か来る?

[桔梗]奥村涼   :じゃあ、僕もお供してもいいでしょうか?^^

[桔梗]観音寺らむね:おーけー。じゃあいきましょう


僕、らむねさん、服部さん、奥村さんの4人で徒党を組んだ。

[桔梗]観音寺らむね:服部ちゃんと涼ちゃんはもう慣れているからわかっていると思うけど、
[桔梗]観音寺らむね:良ちゃんは全くの初心者だから、基本的な説明をするわね。
[桔梗]観音寺らむね:退屈かもしれないけど、我慢してね

[桔梗]奥村涼   :了解です^^

[桔梗]服部平次郎:おk

僕はちょっと気になっていた。服部さん、どこかで見かけたような…

[桔梗]観音寺らむね:じゃあ始めるわね。えっと、陣取戦というのは…
らむねさんの講義が始まった。



この日、僕はいろんなことをらむねさんに教わった。

陣取戦のルール。陣の名前。武将との戦い方、防衛、兵站…

WEBで調べていた知識が、どんどんと補強されていく。
知ると知らないのでは、合戦の認識が全く違うことに驚かされた。

[桔梗]観音寺らむね:さてと、こんなところかしら。

[桔梗]平手良太郎:ありがとうございます

[桔梗]観音寺らむね:いえいえ

[桔梗]観音寺らむね:それじゃあ、講義はこれくらいにして、
[桔梗]観音寺らむね:そろそろ実戦に行きましょうか

[桔梗]平手良太郎:え?

僕は動揺した。これからいったい何をするのだろう?


[合戦]榊原政子:敵左先ゲリラいきます。向かってる人~?


[桔梗]観音寺らむね:今ゲリラ集めてるから、
[桔梗]観音寺らむね:ぶっつけ本番でゲリラ行ってみましょう

えええええええええええええ!?

[桔梗]平手良太郎:あの、まだ1回もゲリラやったことないんですけど…

[桔梗]観音寺らむね:だからいくのよ
[桔梗]観音寺らむね:やってみなきゃ、いつまでも身につかないわよ

[桔梗]平手良太郎:はぁ…

どうしよう。僕みたいな低レベルの人が参加してもいいんだろうか。

[桔梗]観音寺らむね:あまり乗り気じゃないわね。
[桔梗]観音寺らむね:大丈夫だって!ねえ涼ちゃん。

[桔梗]奥村涼   :まあ、そうですね^^

突然話を振られたものの、奥村さんは平然と答えた。

[桔梗]観音寺らむね:涼ちゃんはね、初めてゲリラで戦闘したとき、レベル60にもなってなかったんだよね

へ?

[桔梗]奥村涼   :あの時は、あまりよくわかってなかったもので^^;

[桔梗]観音寺らむね:薬師だから何とかなったっていうのはあるね。医術は先陣くらいなら二者治療してれば何とかなるし。

それをきいて、今まで黙っていた服部さんが突然口を開いた。

[桔梗]服部平次郎:いくら先陣でも、武士でレベル70になってなかったらちょっときついとおもうぜ。
[桔梗]服部平次郎:こういうのもなんだけどさ、平出さんは前に一緒に徒党になったとき、相当パニックになってたし。



思い出した。

このまえハマーさんに武将徒党に入れてもらった時の暗殺さんが、服部さんだった…

確かに服部さんのいうとおりだ。僕にはまだ、武将と戦う力量はまだない。


[桔梗]観音寺らむね:うーんでもねえ

らむねさんは唸るように言い始めた。

[桔梗]観音寺らむね:やっぱり良ちゃんには、武将をやってほしいな。
[桔梗]観音寺らむね:早めに武将戦の感覚をつかんだ方が慣れるの早いし
[桔梗]観音寺らむね:合戦も面白くなると思うのよね

若干、沈黙が続いた。

[桔梗]服部平次郎:ま、らむねさんがこだわるなら、俺はこれ以上言わないよ。

[桔梗]奥村涼   :みんな、最初は初めてですしね^^

僕も少しずつ、参加したくなってみたくなった。
らむねさんがこだわっている理由が、気になってきたからだ。



[大声]榊原政子:ではカウント行きます。10,9,8,7,6…

僕は、20人以上は居るだろう仲間たちと一緒に、味方中先にいた。

徒党はすでに解散していた。

僕以外にも、服部さん、奥村さん、らむねさんの四人がソロになって、ゲリラに参加した。

私が後ろから見ているから、良ちゃんは普通にゲリラに参加してね。
らむねさんはそういって、僕の後ろに控えている。

カウントが3になった。

起点、いわゆる盾と回復役の人が一斉に飛び出す。

僕も遅れまいと、ほぼ同じタイミングで走り出した。
すぐ後ろかららむねさんが追いかけてくる。

ゲリラの先行集団は、塊となって敵左先をめざした。

柵に囲まれた陣が、だんだん大きく見えてくる。

コントローラーを持つ手に、思わず力が入った。



[桔梗]平手良太郎:…だめでした

[桔梗]観音寺らむね:まぁ、はじめてだしねえ


僕は、陣のだいぶ手前で赤NPCに捕まっていた。
全くの問題外といってもいい。

[桔梗]服部平次郎:まーた起点か。相変わらず取りつきだけはうまいな
[桔梗]奥村涼  :いえいえ^^
[桔梗]服部平次郎:それにしても、回復技能使いすぎてるだろ。ヘイト集まるぜ
[桔梗]奥村涼  :服部さんがもっとs入れてくれれば、楽になるんですけどね
[桔梗]服部平次郎:…こいつぅ!!

私設チャットでは、服部さんと奥村さんの掛け合いが続いていた。
ふたりとも、らむねさんの講義中は静かだったけど、それは遠慮だったみたいだ。

[桔梗]観音寺らむね:相変わらず、仲がいいわねえ

「そんなことないですよ!!「そういうわけでは^^;」と、二人同時に喋っている。

[桔梗]観音寺らむね:二人とも、蒼天禄サーバーができてから始めたから、同期なのよね。
[桔梗]観音寺らむね:合戦場に来たのも、ほとんど同じ時期だったしね。

[桔梗]平手良太郎:はあ…

同期、か。

僕はうらやましかった。

僕には一緒に遊べる知人もいないし、互いに切磋琢磨するようなライバルもいない。

二人の関係が、とても魅力的に見えたのだ。

[桔梗]観音寺らむね:二人とも上達は早いんだけど、初めて半年もたってないから、まだまだ初心者よね。

[桔梗]観音寺らむね:良ちゃんも頑張れば、二人に追いつけるわよ。半年くらいの差なんて、まださほどでもないし。

追いつく?僕が?

[桔梗]服部平次郎:ま、俺は、半年でほかの皆さんを追い抜くつもりですけどね。

[桔梗]観音寺らむね:ふふ。楽しみね

すごい自信だ。僕は圧倒された。

[桔梗]観音寺らむね:さて、遅い時間になったし今日はこの辺で解散にしましょうか。
[桔梗]観音寺らむね:良ちゃん、今日は来てくれてありがとう。塾は今後もやるつもりだから、また来てくれると嬉しいな

[桔梗]平手良太郎:はい、ぜひお願いします!

[桔梗]観音寺らむね:服部ちゃんも涼ちゃんも、彼のことよろしくね。ほとんど同期みたいなものだし。

同期。

この言葉に、僕はむずむずするような感じを覚えた。

[桔梗]奥村涼   :もちろんです。良さん、これからもよろしくお願いしますね^^
[桔梗]服部平次郎:よろしくー

[桔梗]平手良太郎:よろしくお願いします!

こうして僕は、桔梗塾の一員になった。
あの日以来、毎日欠かさず合戦場に入った。
必ずまた、合戦に来ますと宣言した日。

だけど僕は、また独りぼっちになった。


週末になり、徳川方のプレイヤーの数が増えた。

それまで一方的に押されていた合戦のムードが、確実に変わっていた。


[合戦]榊原政子:味方左先から敵右中にゲリラいきます。


今まで自分たちの陣地を戻すだけでも大変だったのが、
ちょっとだけではあるけれども、敵の陣地に攻め込む場面が増えてきた。


あの時の徒党のメンバーは、だいたい毎日合戦に通っている。


僕を徒党に勧誘してくれたレゲエさんは、ひたすら「徒党を止めた」というログを流し続けていた。

柳家さんも、僕が理解できないような合戦情報をたくさん合戦私設に流し続けている。

ハマーさんともほぼ毎日顔を合わせた。
会うたびに、彼の方から僕に手を振ってくれた。しかし一緒に徒党を組むことはなかった。
彼はいつも、7人徒党を組んでいた。ひたすら武将徒党をしているらしく、公式HPの討ち取り欄にたくさん名前が載っていた。


反転攻勢になったことで、みんな急激に忙しくなったと悟るのには、しばらく時間がかかった。

あの時は一方的な展開すぎて逆にやることがなく、雑談ついでに徒党を組んでいた。
僕はその時、たまたま合戦場をうろついていて、レゲエさんの気まぐれで声をかけてもらったようなものだ。


合戦とは、本来こういう忙しいものなのかもしれない。


身近に感じつつあった人たちとの、本来の距離を見せつけられたような気がして、僕はとてもさみしくなった。


目当てだった目付の昇進試験である合戦手柄5000ポイントは、自分でもあっけないと思うくらいあっさりたまった。

合戦が均衡してきたこともあって陣の奪い合いが激化し、トンカチがしやすくなったからだ。

自分のやることを見失っていた僕は、とりあえずトンカチに精を出し、2時間もたたないうちにポイントをためてしまった。


これといった感慨もなく、合戦場を後にし自国の城、那古屋城に向かった。

織田家自体は合戦がなかったため、城にいた織田信長公に謁見し、目付への昇進を果たした。

今までやってきた昇進試験と比べて、えらく淡白に感じた。


ステータス画面で自分の身分が目付に変わったことを確認すると、僕はため息をついた。

心の中がもやもやする。

思っていたよりもあっさり手柄がたまってしまったため、時間は余っていた。これから、何をしようか…。


[対話]観音寺らむね:こんばんはー

ぼーっとしているところに突然対話が入ったので驚いた。

[対話]平手良太郎:こんばんは

[対話]観音寺らむね:良太郎ちゃん、お久しぶりね?

さほど久しぶりな気はしないけど。
でもよくよく考えたら、らむねさんと会ったのはこのまえ武将徒党を組んだ日以来だった。

[対話]観音寺らむね:良太郎ちゃん、暇そうね?

[対話]平手良太郎:ええ、まぁ・・・


実際、これから何をしようか手をもてあそんでいたところだ。

[対話]観音寺らむね:だったらさ
[対話]観音寺らむね:桔梗塾 って私設に入ってみない?

桔梗塾?

[対話]観音寺らむね:そう。合戦の初心者の人のために開いている私設なんだけど、
[対話]観音寺らむね:今日、これから講習会をやろうと思って。

講習会?

[対話]観音寺らむね:時間があったら、良太郎ちゃんも参加してみない?


塾、か。

僕はちょっと悩んだ。
そもそも合戦に来たのは目付試験を達成するためだ。
それが終わった今、合戦にこだわる理由はない。

が、


『今日はありがとうございました。明日も合戦に来ます。絶対来ます!だから』
『明日からもまたよろしくお願いします!そういっていたとハマーさんに伝えていただけませんか?』


不意に、思い出した。
僕はこういうことを言っていたじゃないか…。

[対話]観音寺らむね:どう?

[対話]観音寺らむね:時間があれば、で構わないんだけど


僕は戸惑っていた。


このまえの武将徒党の際、自分の実力のなさを痛感していた。

まだ合戦に参加するレベルじゃない。もっと強くならなければ。

そういう思いが、心の中を渦巻いていた。


しかし、強くなる方法がわからない。

レベルを上げて、覚醒をあげて、戦闘にうまくなって…。
それは何となくわかる。

でも、どこまで強くなればいいのか。
なにをもってして合戦に出ていいと判断できるのか。

具体的なイメージが全くできなかった。


[対話]平手良太郎:塾に入れば、

[対話]観音寺らむね:ん?

[対話]平手良太郎:僕はもっと強くなれるのでしょうか?合戦のことがよくわかるのでしょうか?


なりゆきで、らむねさんに迫る訊き方をしてしまった。

人としゃべるのが苦手な僕としては割と珍しい。

[対話]観音寺らむね:そうねえ…


そう言ってらむねさんはちょっと間を置いたあと、一気に話し始めた。


「それは良太郎ちゃん次第だよ」
「わたしは合戦の最低限のことは教えてあげられる」
「でも、そこから学び取って強くなるには、自分で努力をしなきゃいけない」

そういう努力を後押ししたいから、『桔梗塾』をつくったんだ。らむねさんはそう話した。

僕にはわからなかった。自分がどれだけ強くなれるのか。

[対話]観音寺らむね:まあ、
[対話]観音寺らむね:みんな、誰もが最初は初心者よw
[対話]観音寺らむね:合戦に興味があるなら、
[対話]観音寺らむね:あまり悩まないで、とりあえずやってみればいいんじゃないの?


とりあえず、やってみる。


らむねさんの言葉を、僕は心の中で反芻した。

不安はいっぱいある。けれど、自分が気になることなら、とりあえずやってみてもいいんじゃないんだろうか。

もう少し悩んで、僕は宣言した。

[対話]平手良太郎:あの
[対話]平手良太郎:やっぱり入ります。塾に。

[対話]観音寺らむね:そう!良太郎ちゃんならきっと来てくれると思ってた!
[対話]観音寺らむね:よろしくね、良太郎ちゃん

よろしくお願いします。

胸中の不安を断ち切るように、僕は返事した。
心はドキドキしていたけど、全く何も見えない暗闇の中で、一筋の光を見た気がした。
カウントダウンが0になった。


一斉にみんなが走り出す。


[大声]ハマー浜口:おらおらおらおらあああああああ!!


門を出た集団は一塊となって、南側を直進していく。

門の外では味方の大砲集団がここぞとばかりに大砲の弾を味方左後に打ち込んでいた。

盛大な、花火みたいな轟音の中で、僕らは一直線に駆け抜けていった。


(これが、合戦なのか…)


前に本陣に特攻したときとのあまりの様子の違いに僕は震えた。

あの時はひたすら前の人の背中しか見えなかったが、
今は徒党先頭の柳家さんをはじめ徒党のみんなの背中が見え、
そして随伴するほかの徒党と大量の支援してくれる人たちに囲まれているのがよくわかった。

まるで魚の群れになったかのように合戦場を駆け抜ける。


だが、しかし、


不意に目の前が暗転した。

目の前には敵のプレイヤーが一人。

[合戦]柳家留美:p

どうやら敵の防衛プレイヤーにつかまったようだった。

[徒党]柳家留美:だいぶ手前で捕まったから、一回退くね。

[徒党]レゲエパンチ:さすがに防衛は厚いねえ。


そんな中、


[合戦]川並松五郎:味方左後つき


川並さんの徒党が、無事戦闘に入ったようだ。


[徒党]ハマー浜口:さすがだな。

[徒党]柳家留美:門に再集合で

[徒党]観音寺らむね:了解です


こうして、僕らは再び門の中に戻った。
時間は23:40。

最初は劣勢だった徳川方だったけど、時間が遅くなったせいか掲示板を見たら武田方のプレイヤーがだいぶ減っていた。

川並さんの徒党が陣についたことで、味方も勢いを増したようだ。


[合戦]榊原政子:本陣から味方中先奪還ゲリラいきます。参加をお願いします↑


合戦会話も活気づいてきたようだ。


[合戦]柳家留美:うちの徒党もゲリラに便乗します。


今までバラバラだった味方の動きが、急にまとまり始めていく。

次に狙った陣も味方の陣地だった。
こちらは防衛には止められなかったけど、ほかの徒党に武将についたので僕らは再び撤退。

その後何回かチャレンジしたけど、防衛に阻まれたりほかの徒党にいかれたりで、0:30になっても僕らは武将と戦えずにいた。


[徒党]ハマー浜口:なんとかならねえか!?


[徒党]柳家留美:ごめん
[徒党]柳家留美:今日は調子がよくない
[徒党]柳家留美:次、最後でいいかな?

[徒党]ハマー浜口:いや、留美が悪いわけじゃねーけどよ

[徒党]ハマー浜口:やっぱり、なぁ…

なぜかハマーさんの歯切れが悪かった。

[徒党]レゲエパンチ:時間も遅いし、次でラストにしよう

[徒党]ハマー浜口:それなら右先奪還に行こうぜ。あそこなら防衛いないだろ。

[徒党]レゲエパンチ:それはだめ

レゲエさんが遮った。

[徒党]レゲエパンチ:先陣ならまだゲリラで戻すだけの余裕がある。うちらは敵陣を攻めよう。

徒党に一瞬沈黙が流れた。
僕は何となく居づらくなった。

[徒党]ハマー浜口:わかったよ。それでいこう。

ハマーさんが口を開いた。僕らは敵陣を狙うことになった。


柳家さんが合戦私設で人を集め始める。
集合場所は門の中でなく、自陣営の陣の裏になった。それだけ戦線を押し返してきたのだ。

本日ラストチャンスということで、僕に緊張感が襲ってきた。
その一方で、違和感を感じていた。ハマーさんの様子がおかしかったからだ。


…僕は何かハマーさんの気に障ることをしたのだろうか?


[大声]柳家留美:ではいきます。カウント、5、4、3、2、1、0!

なんだかすっきりしないまま、柳家さんに追尾した僕は走り始めた。


目指すは北側の敵陣。
最初のころと比べると敵の姿はあまり見なくなっていた。

途中で止められることなく進む。
目の前に、柵でおおわれた陣が見えてきた。

大量の襲われログがチャット欄を埋め尽くしていく、
不意に、柳家さんが突出していった。その先にいるのは、敵武将!


画面が暗転した。


画面に姿を現したのは、武将の伊丹康直。

ついに、武将戦をすることになったのだ!

気持ちが昂ぶり、コントローラーを持つ手に力がこもる。
初手は湯地鉄城。戦闘画面の推移をじっと見つめていると、突然らむねさんが口を開いた。


[徒党]観音寺らむね:ハマーちゃんがいないよ!


僕ははっとした。

相手の武将は7人で、僕らは確かに6人だった。

[徒党]ハマー浜口:すまねえ。割れてNにからまれた…

[徒党]レゲエパンチ:入ってこれそう?

[徒党]ハマー浜口:だめだ、敵pにつかまった。

柳家さんが反応した。


[合戦]柳家留美:敵左中主つき。盾鍛冶が割れたので救援をお願いします


この事態で、僕の頭の中は真っ白になった。
盾は僕一人。なんとかしなきゃ!


湯地鉄城!


湯地鉄城!


湯地鉄城!


なんとか敵のほとんどが釣れた。
これで持ちこたえられるか…?

[徒党]レゲエパンチ:良さん釣りすぎだ。滅却張って

え!?と思った時には遅かった。詠唱が来ていたので全体看破していた。

[徒党]平手良太郎:すみません、全体看破しました

[徒党]レゲエパンチ:こっちもkp。かぶったね。


冷や汗がでてきた。何かとんでもないミスをしたのではないか…?


敵の攻撃が自分に集中してきた。

滅却の結界はあっさり割れ、生命がみるみるうちに減っていく。

[徒党]観音寺らむね:単体回復

らむねさんは必死に回復してくれた。
でも、生命の減りに回復が追いつかない。

そうこうしている間に、標的固定が解けていた。

攻撃が漏れたせいで、徒党の暗殺さんが死んだ。

まずい!

と思ったのもつかの間、1の攻撃が僕に直撃し、僕も倒れた。


その後は、目を覆うような惨状だった。

敵の攻撃で、徒党員が次々倒れていく。
榊原さんは救援の盾を送ってくれていたが、到着するころには立て直しが不可能なくらい痛めつけられていた。


[合戦]柳家留美:敵左中主折れ。すみません。


淡々とした報告が、合戦私設に流れていた。





[徒党]平手良太郎:すみませんでした

謝らずにはいられなかった。僕が冷静に行動していれば、伊丹に勝てたかもしれない。

[徒党]ハマー浜口:いや、リョウはわるくねーよ
[徒党]ハマー浜口:俺が割れたのが悪い

非常に気まずかった。このまま消えてしまいたい気持ちだった。

[徒党]観音寺らむね:まあまあ。リョウちゃんも今回が初めての武将戦だったし、またがんばればいいじゃん

そうだね、うん、といった会話がつづく。

僕は文字を追っていただけで、中身を理解することができなかった。

[徒党]柳家留美:ごめん、この陣取りももう終わるし今日は解散で。
[徒党]レゲエパンチ:そうだね。おつかれさま~

初めての武将徒党は、とても苦くて無残な経験となった。





[対話]レゲエパンチ:お疲れ様。ちょっといいかな?

合戦場から退場する間際に、レゲエさんから対話が来た。

[対話]平手良太郎:はい
[対話]平手良太郎:あの、今日はすみませんでした。
[対話]平手良太郎:僕がもっとうまければ、もっと強ければこんなことには

申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
武将徒党にする、と言われた段階で、徒党を脱退すればよかったのだ。
その場の雰囲気に流された僕の意志の弱さ、世間知らずさに、嫌気がさしていた。

[対話]レゲエパンチ:気にすることないっすよ。
[対話]レゲエパンチ:徒党が割れるなんてよくあることだし、
[対話]レゲエパンチ:合戦のデビューとしては、こんなもんだって。

[対話]平手良太郎:はあ…

困惑する僕にきにせず、レゲエさんは対話を続けた。



[対話]レゲエパンチ:実はね、ハマさんが良さんのことを気にしててね。



僕のことを…?



[対話]レゲエパンチ:ハマさん、良さんが初めての武将徒党だからってことで、大分張り切っててね。
[対話]レゲエパンチ:どうしても武将やらせて、勝たせてやりたいって思ってたんだってさ。
[対話]レゲエパンチ:だからさ、最後自分が割れちゃって、徒党が折れてさ、
[対話]レゲエパンチ:それがショックで、悔しくてたまらないって。
[対話]レゲエパンチ:良さんに合わす顔がないって。だから俺の代わりに謝っといてくれないかって、言われたんだ。


その時僕はやっと理解した。


武将に取りつけなかった時のハマーさんの苛立ちの理由。
僕を思ってのことだったのか…

[対話]レゲエパンチ:あいつとの付き合いは前のサーバーのころからなんだけど、
[対話]レゲエパンチ:ああいう乱暴な言い方をする割に、昔から繊細で不器用なやつなんだよ。
[対話]レゲエパンチ:自分で謝ればいいのにね。

僕はなんといえばいいのかわからなくなった。
謝らなければいけないのは僕のほうなのに。
僕は、何を伝えたらいいのだろう…

…あ!

[対話]レゲエパンチ:じゃあ、伝えるだけ伝えたから。
[対話]レゲエパンチ:もしよかったら、これに懲りずまた来てくれたまえ。じゃあ

[対話]平出良太郎:あの

[対話]レゲエパンチ:ん?

僕は意を決していった。



[対話]平出良太郎:今日はありがとうございました。明日も合戦に来ます。絶対来ます!だから
[対話]平出良太郎:明日からもまたよろしくお願いします!そういっていたとハマーさんに伝えていただけませんか?



このとき、レゲエさんはどういう顔をしていたのだろうか。


[対話]レゲエパンチ:わかった。伝えておくわ。


対話を終えて、僕はそのままログアウトした。





その日はなかなか寝付けなかった。

確かにひどい初陣だった。だけどなんだろう、この湧き上がるような昂揚感は。

明日、早く家に帰ろう。そして、ログインして合戦にいこう。
合戦にいったらハマーさんに挨拶して、それで…

そんなことを考えているうちに、いつしか眠りに落ちていた。




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